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北 河 弁 護 士 コ ラ ム

1.自転車の交通違反・事故について

 

「自転車事故」に関連する話題です。「自動車」で交通違反をすると,それが重大な違反でなければ「青切符」(交通反則切符)を切られます(私も何回か悲しいというか,悔しい経験が・・・)。反則金を納付すればそれで終わりで,罰金などの刑事責任を問われることはありません(交通反則通告制度)。罰金は前科となりますが,反則金は刑罰ではないので前科とはなりません。

 「自転車」は道路交通法上「軽車両」に分類され,道交法が定める規制の対象となるのですが,これまでは交通反則通告制度(青切符)の適用がなかったため,全て刑事責任を問われることになっていました。そのため,逆によほど悪質な違反の場合でないと警察も摘発を躊躇していたようですが,自転車が関与する事故が多いことから,2022年10月以降,悪質な違反(信号無視,一時停止違反,右側通行,徐行せずに歩道を通行)については取り締まりを強化し,「赤切符」(交通切符)を交付し検挙することになりました。

 他方,自転車にも交通反則通告制度(青切符)を適用する道路交通法改正案が今国会(第213回通常国会)に提出され、成立する見通しとなりました。対象年齢は16歳以上とされ,信号無視や一時停止違反など115種類の違反に適用されます。反則金の金額は5千円から1万2千円程度になるようです。

 115種類の違反の中には,傘さし運転,歩道徐行義務違反,イヤホンを付けて周囲の音が聞こえづらい状態での運転など,自転車に固有の違反も含まれています。改正案が成立すれば施工日は2026年になる見込みです。

 なお,2015年6月1日から「自転車運転者講習制度」が実施されています。これは政令で定める15類型の危険な行為を行い,交通違反として取り締まりを受け,または交通事故を起こして送致されたものが,3年以内に違反・事故を合わせて2回以上繰り返した場合,公安委員会が自転車運転者受講命令書の交付後3か月以内に自転車運転者講習の受講を命じるものです。従わないと罰金に処せられます。自転車運転者講習受講命令は交通反則通告制度によって処理するかどうかとは関係しません。

 自転車事故については民事責任(損害賠償)も発生します。損害賠償については,北河隆之=長島光一『裁判例にみる自転車事故の損害賠償』(保険毎日新聞社 2022年)に裁判例を整理し,詳しく解説しています。

 

最新の重要判例

北河隆之『交通事故損害賠償法』(弘文堂・2011年)は,2023年1月に[第3版]が刊行されていますが,同書[第3版]刊行後の交通事故重要判例や、その他の分野の重要判例を,このコーナーで紹介していく予定です。 → 最新の重要判例紹介はこちら

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