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最新の裁判例のご紹介

ピンクレディー事件最高裁判決(平成24年2月2日第一小法廷)

ピンクレディーが,写真を雑誌(女性自身)無断掲載されたとして,発行元の光文社に対し,パブリシティー権侵害を理由とする損害賠償を求めていた訴訟で,平成24年2月2日,上告審判決が言い渡されました。

「パブリシティー権」は法律に明記されていない概念で,有名人の氏名や肖像がもつ「顧客吸引力」に着目した概念です。これを肯定した著名な裁判例として,おニャン子クラブ事件控訴審判決(東京高判平成3年9月26日)がありました。

最高裁からは,物(競走馬)のパブリシティ権を否定したギャロップレーサー事件上告審判決(最判平成16年2月13日)が出されていましたが,本判決は,人格権に由来する権利としての「パブリシティー権」を肯定した初めての最高裁判決です。

しかし,他方で,本判決は,一定の場合には,写真を無断で雑誌に掲載する行為も不法行為にならないとしており,この点でも重要な判決といえます。

「花押」記した遺言状は無効と最高裁が初判断(最高裁平成28年6月3日判決)
  • 判決文
  • 解説

(1)結論
 いわゆる”ハンコ”を押すかわりに、花押を書いた遺言書は無効だと判断されました。【自筆証書遺言のケース】

(2)有効な遺言書とは?
 遺言書にはいくつか種類があり、公証役場で公証人に作成してもらう【公正証書遺言】もよく利用されていますが、本件で問題になったのは【自筆証書遺言】です。自筆証書遺言とは、全文を自分で書く遺言のことです。
 自筆証書遺言について、民法968条1項には次のように書いてあります。「自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」
 つまり、「印」が押されていないと遺言書は無効になってしまいます。

(3)この裁判での争いのポイント
 この裁判では、遺言書に「印」が押されていると言えるのかどうかが問題になりました。
 「印」とは、ふつうは”ハンコ”のことを言います。実印でなくても、100円ショップの三文判でも構いません。
 しかし、今回の事案では、遺言書に”ハンコ”は押されておらず、かわりに”花押”が書かれていたため、有効な遺言書と言えるのかどうか争われたのです。

(4)最高裁判所の判断
 最高裁は、結論として、花押は民法968条1項でいう「印」には当たらず、したがって、遺言書は無効だと判断しました。
 その理由として、「我が国において,印章による押印に代えて花押を書くことによって文書を完成させるという慣行ないし法意識が存するものとは認め難い」と言っています。

(5)教訓
 このように、自筆証書遺言を作る際は、厳格なルールが定められており、少しでもルールに反すると遺言書が無効になってしまうので注意が必要です。
 無用な心配を避けるためには、多少費用はかかってしまいますが、事前に弁護士に相談して遺言書の内容をチェックしてもらったり、公証役場に行って公正証書遺言を作ってもらうのも一案でしょう。これならトラブルのリスクは低くなります。

担当: 弁護士 中嶋翼

 

交通事故(最高裁平成30年12月17日判決)

生活保護受給者である姉Aから依頼を受けて,Aが購入する中古自動車の所有者登録名義人兼使用者登録名義人となった弟Y(名義貸与者)に対し,Aが惹起した交通事故の被害者Xに対する自動車損害賠償保障法3条に基づく損害賠償責任(運行供用者責任)を肯定した判決が出されました。

 本件では,AとYとは別々に生活しており,疎遠で,Yは自動車の購入費用も維持費も負担しておらず,Aがどこに住んでいるのかも知りませんでした。自動車はAの自宅駐車場に保管され,Yは自動車を使用したこともありませんでした。

 それでも,最高裁は、次のように述べて,Yの運行供用者責任を肯定したのです。

 「YのAに対する名義貸与は,事実上困難であったAによる本件自動車の所有及び使用を可能にし,自動車の運転に伴う危険の発生に寄与するものといえる。また,YがAの依頼を拒むことができなかったなどの事情もうかがわれない。そうすると,YとAとが住居及び生計を別にしていたなどの事情があったとしても,Yは,Aによる本件自動車の運航を事実上支配,管理することができ,社会通念上その運行が社会に害悪をもたらさないよう監視,監督すべき立場にあったというべきである。したがって,Yは,本件自動車の運行について,運行供用者に当たると解するのが相当である。」

 なんとも厳しい判断ですね。

 なお,「事実上困難であったAによる本件自動車の所有及び使用」というのは,生活保護法4条1項が規定する補足性の原理(資産の活用)から,生活保護受給者が自動車を所有・使用することは原則的に禁止され,例外的事情に限って所有・使用を認めるとの運用が確立しているからです。

担当:弁護士 北河隆之

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最近の重要判例

北河隆之『交通事故損害賠償法』(弘文堂・2011年)は,2016年6月2日に[第2版]が刊行されていますが,同書[第2版]刊行後の交通事故重要判例や、その他の分野の重要判例を,このコーナーで紹介していく予定です。 → 最近の重要判例紹介はこちら

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