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暮らしの法律Q&A

24.著作権を侵害された場合の損害賠償請求の方法は?

インターネットを見ていたら、私が業界誌に書いた文章の一部が、そのまま無断で掲載されていることがわかりました。あたかも、そのページの管理人が書いているような感じです。なんらかの謝罪を要求したいのですが、どうすればいいのでしょう。
 

 結論からいえば、これはあなたの著作権を侵害したことになります。著作権とは、要するに「著作者の権利」のことですが、著作権法では「著作者」とは「著作物を創作する者」と定義されており(2条1項2号)、「著作物」とは「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義されています(2条1項1号)。あなたが業界誌に書かれた文章が「著作物」に当たることは当然です。あなたは、あなたが業界誌に書かれた文章の著作者であり、著作権者です。
 
 著作者の権利には、財産的権利(この権利だけを著作権ということもあります)と人格的権利(「著作者人格権」)とがあります。前者の権利の中心は何といっても無断で複製されない権利としての「複製権」です(21条)。著作権法では、「複製」とは、「印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製すること」と定義されています(2条1項15号)。原著作物とまったく同一のものを作り出すことに限られず、実質的に類似していれば複製に該当します。最も、内容から見て誰が書いても似たような表現になるようなものについては、類似しているからといって直ちに「複製」とはいえません。また、偶然に同一の作品が作成されても「複製」には当たらず、既存の著作物(原著作物)に「依拠」して再製されたこと(模倣とか盗用といわれるようなものであること)が必要とされています(最判昭和53年9月7日)。
 
 以上の説明に照らして、そのホームページのコンテンツがあなたの書いた文章の無断複製に当たるとすれば(通常はそうなるでしょう)、あなたはその管理人に対し、著作権(複製権)に基づき、掲載されているあなたの文章を削除することを請求することができます(差止請求権、著作権法112条)。複製権侵害は一般的に不法行為となりますから(依拠性が認められれば故意があることになるでしょう)、あなたは不法行為に基づく損害賠償を請求することもできます(民法709条)。損害額の算定については著作権法114条に特則が置かれており、少なくとも印税・原稿料に相当する額の賠償を求めることができるとされています。
 なお、謝罪を求めることも自由ですが、裁判に訴えて謝罪を強制することはできません。

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