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暮らしの法律Q&A

23.遺産相続するべき人が死亡した場合の代襲相続とは?

先ごろ、私の父が他界しました。母はまだ元気です。私には姉と弟がいましたが、弟は数年前に事故で亡くなっており、弟には妻と二人の子がいます。父の遺産の相続に当たり、「代襲相続」という制度があることを聞いたのですが、詳しく教えて下さい。
 

 「代襲相続」という制度は、被相続人(父上)の死亡以前に(相続開始以前に)、相続人となるべきであった子や兄弟姉妹が亡くなっている場合に、その者の直系卑属(子)がその者に代わり、その者が受け取るべきであった相続分を相続する制度です(民法887条2項本文、889条2項)。
 
 あなたのケースでいうと、弟さんがご存命であれば、父上の相続人は、母上、あなた、姉上、そして亡くなった弟さんの4名です。そして、母上(被相続人の配偶者)が2分の1、あなた、姉上、弟さん(子3名)がそれぞれ6分の1を相続することになります。このうちの弟さんの相続分6分の1が、弟さんの二人の子に相続されるのです。弟さんの妻は代襲相続人にはなりません。弟さんには子が二人いますから、それぞれ12分の1を相続することになります(民法901条1項)。
 
 注意しなければならないことは、被相続人(父上)の子(弟さん)の子が代襲相続人となるためには、その子が被相続人の直系卑属でなければならないとされていることです(民法887条2項ただし書)。したがって、被相続人の子が養子であり(養子は実子と全く同じ相続権があります)、養子の子が養子縁組以前に出生していた場合には、養子の子は被相続人の直系卑属とはならないため、代襲相続人とはなりません。これに対し、養子の子が養子縁組後に出生した場合には被相続人の直系卑属となるため、代襲相続人となります。
 
 子の場合には「再代襲相続」という制度もあります(民法887条3項)。これは、代襲相続人(被相続人の孫)も相続開始前に死亡していた場合に、代襲相続人の子(被相続人のひ孫)が相続人となるという制度です。被相続人に子も親もいない場合には、兄弟姉妹が相続人となりますが、再代襲相続は、兄弟姉妹については認められていません(民法889条2項)。したがって、相続人となるべき兄弟姉妹の中に被相続人よりも先に亡くなっていたものがある場合には、その子(被相続人の甥や姪)が代襲相続人となりますが、そこで終わりです。
 
 なお、代襲相続という制度は、相続人となるべきであった子や兄弟姉妹が死亡した場合のほかに相続欠格や相続廃除により相続権を喪失した場合にも適用されますが、相続放棄の場合には適用されません。

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