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暮らしの法律Q&A

22.マンションの共有部分に花や植木を置いても大丈夫?

マンションに住んでいますが、隣の人が花やガーデニングの道具などを玄関の前に置いています。突き当たりの部屋なのでいいと思っているようなのですが、これは許されるのでしょうか。
 

 部屋の玄関の前ということは廊下ということでしょう。マンション内のそれぞれの部屋(○○号室というような部屋)のことを、「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)では「専有部分」と呼んでいます。専有部分を目的とする所有権を「区分所有権」といいます。専有部分といえるためには、その建物の部分が構造上の独立性と利用上の独立性を具えていなければなりません(同法1条)。
 しかし、一棟のマンションはそのような専有部分だけから成り立っているわけではありません。一棟のマンションのなかには「専有部分以外の建物の部分」もあります。具体的にあげれば、廊下・建物(棟入口)の玄関・ロビー・屋上・エレベータ室・階段室などがそれに当たります。ついでにいえば、「専有部分に属しない建物の附属物」も共用部分となります。たとえば、エレベータの箱・配線(本線)・配管(本管)・消防設備などがそれに当たります。
 貯水槽・浄化槽などは建物の外にあっても、「建物の附属物」として共用部分となります(以上につき同法2条4項)。また、区分所有法4条1項は、「数箇の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分」を区分所有権の目的とはならないもの、すなわち共用部分と規定しています。
 
 このような共用部分(※1)は区分所有者全員の「共有」に属します(同法11条1項本文)。区分所有者の一部の共用に供される建物の部分(一部共用部分)の場合は、これを共用すべき区分所有者の共有(※2)となります(同項ただし書)。そして、「各共有者は、共用部分をその用方に従って使用することができる」と規定されています(同法13条)。
 部屋の玄関の前であっても、廊下は区分所有者全員の共用部分ですから、廊下としての用方に従って使用しなければならず、一人の区分所有者が自分の部屋の玄関前だからといって独占的に使用することはできません。ですから、そこに花やガーデニングの道具などを置くことは許されません。管理組合からその住民に注意すべきでしょう。
 
※1 本文で説明した共用部分のことを法定共用部分といいます。このほかに、本来であれば専有部分としての要件を具えている建物の部分や、本来独立している附属の建物も、規約により共用部分とすることができます(区分所有法4条2項)。規約共用部分といわれます。
 
※2 共有といっても、共用部分の持分は専有部分と分離して処分することはできず、専有部分の処分に従うことになります(同法15条)。共用部分の持分の割合は、規約で別段の定めがない限り、専有部分の床面積の割合によります(同法14条)。

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