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暮らしの法律Q&A

17.判断能力が低下した身内の財産を守るための制度はある?

遠方にすむ父に最近軽い認知症の症状が見られるようです。私の家に呼ぶまでの間、詐欺などにあわないよう生活上のさまざまな判断について信頼の置ける人に任せたいのですが、自治体に頼むことはできないのでしょうか。
 

  父上の判断能力の減退はどの程度でしょうか。判断能力減退が重度であれば(精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者)成年後見人」を、中程度であれば(精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者)「保佐人」を、軽度であれば(
精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者)「補助人」を保護者として付けることができます(成年後見制度)。いずれも、あなたから家庭裁判所に対して審判を申し立てます。
 
 父上の場合には、判断能力の減退は軽度のようですから、保佐制度か補助制度を利用することになるでしょう。
 
 保佐開始の審判を受けると、父上(被保佐人)が法定されている一定の重要な行為(借財・保証、不動産売買、改築・大修繕などが法定されていますが、審判で法定の行為以外の行為を含めることができます)をするには保佐人の同意が必要となります(同意を得ないでしたものは取り消すことができます)。また、本人の療養看護や財産に関する特定の法律行為(こちらは法定の行為に限られません)について保佐人に代理権を付与する旨の審判を求めることもできますが、これには本人(父上)の同意が必要です。
 
 補助開始の審判には本人(父上)の同意が必要です。また、同時に、特定の法律行為(被保佐人について法定されている行為の一部に限ります)をするには補助人の同意を要する旨の審判(同意を得ないでしたものは取り消すことができます)、または特定の法律行為(こちらは法定の行為に限られません)について補助人に代理権を付与する旨の審判がなされます。いずれの審判についても本人(父上)の同意が必要です。
 
 自治体には情報提供・相談窓口はありますが、自治体が保護してくれるような制度はありません(身寄りのない要保護者については市町村長に審判開始の申立権が付与されています)。都道府県社会福祉協議会が支援する地域福祉権利擁護事業というものもありますが、その援助内容は、福祉サービス利用援助、日常的金銭管理サービス、書類等の預かりサービスであって、成年後見制度とは異なります。なお、相談窓口としては、大規模弁護士会に高齢者・障害者総合支援センターが置かれており(東京弁護士会の「オアシス」等)、司法書士会の成年後見センター(リーガルサポート)もあります。
 
 もし、父上が問題のある契約を締結させられた場合には、消費者契約法に基づく取消し、特定商取引法によるクーリング・オフや中途解約等ができることがありますので、検討してください。

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