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暮らしの法律Q&A

14.日照権の侵害にはどんな方法で対抗できる?

うちの南側の駐車場にマンションが建つことになりました。周辺住民に対する説明会が開かれ、その中で日影図というものも配付され、日照規制についても建築基準法に適合している建物であることが説明されました。しかし、私の家の日照は圧倒的に悪くなります。どうしたらよいでしょうか。
 

 南側隣地が駐車場ということですから、これまでは日照に大変恵まれていたようですね。ただ、土地に建物を建設することは基本的には土地の所有者の自由ですから、これまで享受していた日照の全部を権利として主張するわけにはいきません。しかし、所有権の行使といえども、周辺の人たちに与える結果が度を越えることは許されません。
 
 初めて日照侵害を認めた判例として有名な世田谷日照侵害事件の表現を借りると、「社会観念上一般的に被害者において忍容するを相当とする程度を越えたと認められるとき」は、権利の行使であっても違法性を帯びることになります(受忍限度論)。世田谷日照侵害事件は、建物の増築工事が建築基準法に違反していた悪質なケース(無届で容積率に違反)でしたが、本件では建築基準法をクリアしているようです。建築基準法による日影規制は行政上の規制ですが、規制地域内の規制対象建物であれば(おそらくそうなのでしょう)、規制違反がないことは受忍限度内であることを一応推認させます(自治体の条例に基づく日照規制もありますが、こちらにも適合しているものと思われます)。
 
 しかし、現実の日照被害が著しく大きいような場合には、他の諸事情も勘案して違法性が認められる可能性もあります。
 違法性が認められるときには損害賠償請求が認められますが、違法性がとくに著しい場合には、建築差し止め請求や設計変更請求などが認められることもあります。後者を求めるなら、建物が完成する事を阻止するためにまず工事禁止の仮処分申請を行うことが一般的です。なお、裁判ではなく、自治体の建築紛争調停委員会などに調停を申請する方法もあります。

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