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暮らしの法律Q&A

友人に50万円を貸しました。簡単な覚書も交わしたのですが、友人は元金はもちろん利息もいっこうに返してくれません。返済期限は過ぎています。返済には時効があると聞き、どうしたものか困っています。
 

 まず、「覚書」の内容が問題です。①当事者(貸主、借主)の表示、②貸付日、③貸付額(元金)、④返済日(元金)、⑤利息支払の約定と利率、⑥遅延損害金の利率が明記されていて、そこに本人(借主)の署名・捺印があれば理想的です。タイトルは「覚書」であっても、これだけの内容が記載されていれば、立派な金銭消費貸借契約書といえます。相手が友人ですと、口約束だけで貸してしまうこともありますが、いざというときに証明に窮することがありますので、「覚書」をとっておかれたのは賢明でした。
 
 ご相談者の場合には、おそらく①から④は記載されており、本人(借主)の署名・捺印もあるのだと推測します(捺印がなくても、署名があれば大丈夫です)。⑤が全く記載されていない場合には、返済日までの利息は請求できません。利息は当然には発生しないのです。⑥についてですが、遅延損害金は、それを払う旨の定めや利率の定めがなくても、約定の返済日の翌日から当然に法定利率による遅延損害金が発生します。
 
 法定利率は2020年3月31日までは年5%、同年4月1日以降は年3%となりましたが、債務者(借主)が遅滞の責任を負った最初の時点の法定利率が適用されます。従って、約定の返済日の翌日が2020年3月31日以前であれば年5%、同年4月1日意向であれば年3%となります。約定利率が法定利率を超えるときには約定利率で計算されます。
 
 さて、消滅時効ですが、友人との間の貸借ですから、貸付が2020年3月31日以前であれば改正前民法が適用され10年間、同年4月1日以降であれば債権者(貸主)が権利を行使することができることを知った時から5年間、権利を行使できる時から10年間となります。
 
 時効の完成が間近に迫っているときには、とりあえず内容証明郵便で催告しておいてから、その後6か月以内に裁判上の手続きをとる必要があります。
 
 すでに5年以上が経過していたらどうすべきでしょうか。諦めないで、請求をしてみてください。消滅時効期間が経過していても借主が時効を「援用」しなければ時効消滅を債権者(貸主)に対抗することができません。もし友人が「払うから待ってくれ」とでも回答してくれば、信義則上、時効の援用ができなくなる(時効援用権の喪失)のが原則です。

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