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以前、電動キックボードなどの「特定小型原動機付自転車」の話題を取り上げたことがありました。おさらいをしますと、これまでの「原動機付自転車」(原付)のカテゴリーの中に、電動キックボードのために、新たに「特定小型原動機付自転車」という区分が設けられました。
速度抑制装置で最高速度が時速20キロメートル以下に制御されている原付が「特定小型原動機付自転車」とされ、16歳以上であれば免許不要で走行できるとされました。基本的には車道を走行する必要がありますが、速度抑制装置で時速6キロメートル以下に制御されている場合には(最高速度表示灯が緑色点滅となります。「特例特定小型原動機付自転車」と呼ばれます)、一部の歩道(「普通自転車等及び歩行者等専用」の道路標識等が設置されている歩道)を走行できます。
無免許でよいわけですから、運転者に道路交通法の知識もないわけで、危惧していたとおり、交通事故が多発しているようです。
そこに、さらに「ペダル付原動機付自転車」(通称「モペット」)の問題が出てきました。モペットは「一般原動機付自転車」に当たるのですが、ペダルが付いているため、これを電動アシスト自転車と誤解している人が少なくありません。電動アシスト自転車との違いはペダルを漕がなくても走行できるかどうかにあります。
ペダル付原動機付自転車を運転するためには運転免許(原付免許や普通免許)が必要となりますし、歩道を走行することはできません。乗車用ヘルメットの着用も義務付けられます。
問題は無免許の者がインターネット上でペダル付原動機付自転車を購入できてしまうことです。国民生活センターの調査によると、電動アシスト自転車として販売されている10車種のうち9車種が電動アシスト自転車の基準に適合していなかったとのことです。
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