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25.親を扶養する費用は、ほかの扶養義務者に請求可能?

母と兄嫁の仲が悪いため、二男の私が母の面倒をみています。もう5年になりますが、兄からは一切援助がありません。生活費の半分くらいはもらいたいのですが、兄は私が母の年金を使っていると思っているらしく、その気はありません。年金は母が管理しているのですが…

 民法は、①夫婦相互間、ならびに②直系血族および兄弟姉妹は相互に扶養義務があると規定しています(752条、877条1項)。法律上、当然に扶養義務を負うので、絶対的扶養義務といわれます。
 また、特別の事情があるときは、家庭裁判所は審判により、3親等内の親族間においても扶養義務を負わせることができます(877条2項)。これは相対的扶養義務といわれます。
 母と子は直系血族の関係にあるので、あなたも、あなたの兄上も、母上に対して絶対的扶養義務を負っています。扶養の程度は、生活扶助義務といわれるもので、自分に余力があれば援助すべき義務であるといわれています。
 具体的な扶養義務は、扶養権利者(母上)が要扶養状態にあり、他方、扶養義務者に扶養能力があるときに、扶養権利者からの請求により発生します。扶養権利者である母上が扶養義務者の一人であるあなたから扶養料を受け取っている事実があれば、扶養権利者からの請求があったとみてよいでしょう。母上が自分の年金で生活を維持できる場合には、要扶養状態にはないことになります。
 同順位の扶養義務者が複数存在するときは、扶養義務者は連帯債務的に扶養義務を負うと解されています。したがって、扶養義務者の一人(あなた)が扶養権利者(母上)に扶養料を給付したときは、ほかの扶養義務者(兄上)に対して、扶養料の一部を求償できることができます。判例も過去の扶養料の求償を認めています。
 問題は、過去の扶養料をどこまで遡って求償できるかです。扶養料(生活費)の性質上、請求時以降の分に限られるとの考え方もありますが、定期給付債権の消滅時効が5年とされている(民法169条)趣旨に鑑みて、調停・審判の申立てをしたときから5年前まで遡って求償できるとした裁判例があります。
 複数の扶養義務者が存在する場合に、当事者間で各自の分担額について協議が調わないときは、家庭裁判所に対して調停・審判を申し立てることになります。最終的には、家庭裁判所が各自の資力その他一切の事情を考慮して、審判で決定します。

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